Q & A

「かけはぎ」とは何ですか?

かけはぎは、衣類修繕の技法の一つです。最も高度な技法とも言われているなど、他のものと比べて非常に綺麗に仕上がります。

破れやキズのある箇所に対し、生地の織り方や糸の特性などに合わせ、一本一本糸を通して、再び織り込んでいきます。

極細の針や拡大鏡等を使用することで、機械で縫製された目の細かい生地でも元の状態を再現することが可能です。

「共布(ともぬの)」とは何ですか?

共布とは、スーツやコートなどの衣服に付属しているスペア生地です。破れや虫食いを修繕する際に使用されます。

共布がない場合でも、衣服の目立たない場所から生地を移植することで修繕が可能です。

どんな布製品でも直せますか?
硬くて針が入らないもの・劣化していて破れてしまうもの・共布が不足し、本体からも生地が取れないもの等の特殊な生地は作業ができない場合があります。
修繕すれば全くわからなくなりますか?
あくまで修繕のため、新品同様にはなりません。生地の色・素材・傷み具合によって仕上がりが変わってきます。
キズの上から共布をノリで貼り付けて直すのでしょうか?
穴の上、又は穴の下から共布をノリで貼り付けるわけではありません。かけはぎという技術を使い、共布の繊維を一本ずつほぐして本体生地に入れ込んで修繕します。かけはぎ後、新しく移植した共布が外れにくいように、裏面の接合部分に専用の接着剤を塗る工程が行われます。
どのようなものが目立ちやすいですか?
基本的にキズが大きいもの・光沢があるもの・生地が薄いものは目立ちやすいです。
縫い目の近くのキズも直せますか?
問題なく直せます。かけはぎ後、縫合してお戻しします。但し縫合はかけはぎ作業とは別に行うため、追加料金をいただくことがあります。
仕上がり後、修繕箇所が目立ってしまわないか不安です…

「かけはぎ」は、あくまでも修繕となります。新品同様など完全に元通りになるわけではありません。修繕した箇所は、穴やキズの大きさ、生地の特性、色やけ、仕上がり後の経年劣化等によって目立ってしまう場合があります。また、仕上がり後の見た目は主観的な部分に大きく左右されるものでもあります。

当店では、過度に不安を抱くことのないよう仕上がりの基準を設け、お見積り時にお伝えしています。

  • レベル1・・・新品同様に近い見た目。修繕箇所が殆ど分からない。
  • before
    レベル1
      after
    レベル1

  • レベル2・・・綺麗な仕上がり。目を凝らせば僅かに修繕箇所が分かる。
  • before
    レベル2
      after
    レベル2

  • レベル3・・・標準的な仕上がり。
  • before
    レベル3
      after
    レベル3

  • レベル4・・・目立ちやすいもの。多少気になる方もいる。
  • before
    レベル1
      after
    レベル1

  • レベル5・・・かなり目立ちやすいもの。間近で見ると修繕箇所がはっきりと見える。普段使いだとしても気になる方はいる。
  • before
    レベル1
      after
    レベル1

※仕上がりの見た目は、人によってはレベル5でも全く気にならない人がいるなど、個人差による影響が大きいものとなります。あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。

※レベル5を超えるものについては、基本的にお断りさせていただいています。

※Instagramにレベルごとの事例が多数紹介されておりますのでご覧ください

丈詰めやサイズ直しはできますか?
かけはぎを専門で扱っているため、申し訳ございませんが承っておりません。
一枚布(マフラー・ストール・裏地のないジャケット等)ですが裏面も直せますか?
かけはぎは表側のみの修繕が可能です。裏地がないものや、ストールなどは裏面に元の穴や新しく足した糸や生地の跡が残ります。
裏面には、本体生地に近い色の接着芯(※)というものを貼り付けています。
薄い生地や一枚布等は、表面に干渉しないよう接着芯を貼らない場合もあります。

※接着芯とはノリ付けされた衣類用の薄い布のことを言います。修繕箇所のほつれを防ぎ、目立ちにくくする効果があります。


かけはぎ1
かけはぎ2
共布があれば修繕できますか?共布がない場合も修繕できますか?
キズを覆えて、柄が合う部分があれば修繕できます。
預けた共布は返却してくれますか?
返却いたします。キズの大きさによっては共布を使い切って修繕する場合もございます。
共布をカットした部分はどうなりますか?
当店では、カット部分がほつれてこないように手まつりで縫合サービスを行なっております。
例:スラックスのスソから取った際→
スラックスのスソから取った例
修繕完了後のアフターケアについて教えてください。

・洗濯等により湿気を含むと、生地が浮いてしまい修繕箇所が目立ちやすくなります。このような場合は、当て布をはさんでアイロンで強くプレスして下さい。できる限り強い力でプレスすることをお勧めしております。
また、スチームは絶対に使用しないようお願い致します。生地が浮き、目立つ原因となります。

※クリーニング等に出す際、業者には必ず「かけはぎ修繕を施しているため、スチームは厳禁です。」とお伝えしていただくようお願い致します。

・修繕箇所は、元の生地よりも強度は劣ります。強い力を加えると、糸がほつれたり、キズを覆っていた生地が外れてしまうことがあります。特にワイシャツ等の薄い生地のものは注意して下さい。

キャンセルはいつまで可能ですか?
当店に品物が到着し、正式なお見積りの連絡をしてから7日以内までとなります。支払い確定後は、修繕作業に取り掛かるため原則キャンセル不可とさせていただいております。
支払いはいつまでに済ませればいいでしょうか?
お見積りの期限は連絡があった日から7日以内となります。7日を超過すると自動的にキャンセル扱いとなり、着払いにて返送させていただきますのでご了承お願い致します。
領収証は発行出来ますか?
注文受付フォームの備考欄に領収証が必要の旨を記載して下さい。お品物発送時に同封させていただきます。